深く潜る練習

佐藤公彦のblog

本と本棚と樹々と森

【散文】
良い本を読むことは大切だが、良い本棚を持つことも、それと同じかそれ以上に大切だ。
ここで言う本棚とは、目に見える本棚であり頭の中の本棚だ。

良い本はそれ一冊で豊かな知識の体系である。一本の樹のように、太い幹から豊かに枝が伸び、知恵の果実を実らせる。
しかし、もし本棚という土壌に知識の樹々を適切に配置できれば、本の持つ知識は別の知識と結びつく。知識の樹は本棚の土壌で林となり森となる。そこには全く新たな知の生態系がうまれ、生態系は新たな知を生み出す。本たちは本棚によって育てられるのだ。

良い本を選ぶことは大切だが、それと同じかそれ以上に良い本棚を持つことも大切だ。

...はてさて、この一冊はどの樹の隣に植えようか。

 

 The theme music of this post:きときと - 四本足の踊り from おおかみこどもの雨と雪